2020年10月6日紹介 大衆食堂　奉天軒

実は長い歴史を持つ駅前の大衆食堂

「今日も今日とて絶好調！」が合言葉の元気で愉快な店主が営む、駅前の大衆食堂。ワンコインランチやちょっと一杯だけひっかけたいときのチョイ飲みセットなど、気軽にリーズナブルに立ち寄れるメニューがそろっている。

前身は、満州から引き揚げてきた店主の祖母が、昭和20年代からおよそ40年間沼津の北口駅前で営んでいた「奉天軒」。名前の由来は満州の奉天市（現在の瀋陽市）から。

幼いころから奉天軒を継ぐと決めていた店主は、長い間和食・洋食問わず修業を続け、10年前に、かつての奉天軒があった付近に、現在の奉天軒を開いた。

おすすめは、珍しい紅しょうがの天ぷらを天丼にした「ステキング天丼（紅ショウガ・ナス・ピーマン・みそ汁）　500円」は、おつまみとして作っていた天ぷらが、リクエストに応じてランチメニューに進出したもの。ばらばらの紅しょうがを油の中できれいにまとめるのは高度な技術だという。奉天軒を継ぐ（再開する）ために長い間修業を続けてきた店主だからこそのメニュー。紅しょうがの風味を損なわないように、ごくうすいつゆを少しだけかけてある。

駅前ゆえ、1杯だけ飲んで帰る客も多い。「サク咲くサクちゃんセット（生ビール・ハムカツ・ポテト）700円」など、気軽にしかも待たせることがないおつまみとのセットが用意されている。

みんな絶対大好きだけど、外食で食べることはまずないだろうとラインナップした「ニコニコニッコリンセット（目玉焼き・たこさんウインナー・ライス・みそ汁・漬物）500円」。懐かしいたこさんウインナーと目玉焼きの定食。たこさんウインナーは当然赤いウインナー。それを炒めるのではなく油で素揚げにする。それによって、ウインナーの旨みが逃げないという。

かつて笑顔であふれていた祖母の店に少しでも近づきたい、それが店主の目標。